後で使えるメモの取り方

メモ帳を読み返した時、何を書いたのか自分でも分からないことがあります。気楽なメモ帳であれば味わい深い思い出として楽しめますが、必要に迫られている場合は困ったことになります。 メモには正確な情報が必要です。ただ情報を漏らさないように、すべてを書き留めようとすると今度は情報の強弱が分からなくなってしまいます。 重要なのは正確な情報に辿り着ける情報でも十分だということです。その時点で不明瞭な情報でも後で調べられる状態にしておけば、後で更新すれば良いので、正確な情報が書かれている状態と同じ状態にできます。 記録する語句(キーワード)は状況を要約するものや後で調べられる一般的な表現に限定しておけば後で読み返した時に情報を展開しやすくなります。

メモ情報を後で深めるためには、背景情報が必要になります。生活に根付いた情報であれば、いわゆる5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)の複数の情報を1つの語句で表現することができます。便利ですが多用していると、なぜ書いたのか分からないメモが出てきます。 後で調べるにしてもなぜなのか、何を知るべきなのかが分からなければ当初に到達すべきと設定した情報まで辿り着けません。結局なんとなく調べて達成した気分になり、優先度も分からないため重大なミスを引き起こす可能性すらあります。 情報をメモした背景情報には、目的や補完すべき情報、優先度の他、当たり前と捉えている前提情報が必要になることもあります。

記憶できないことはメモに残します。ただメモを取るにしてもスペースの制限、時間制限があります。また読み返す時に大量のメモから情報を得ようとするのは効率が悪くなります。 すべてを記録してからあるいは確認してから行動すると切りがありません。メモの利便性を高めるには情報の取捨選択が重要になります。 特に書き込む時間が制限される場合は、あらかじめ情報源となるメモを用意しておくことで、大幅な省力化を期待できますが、今度は使わない情報の削減作業が必要になります。

メモにあると有用な情報として結論、理由、行動があります。 結論が書かれていると悩む余地がなくなります。結論だけではまだ不確かさを感じるようなら理由も記載しておきます。納得できる状態であればメモの信頼性が高まり、次の行動に繋がりやすくなります。 PREP法(要点、理由、具体例、要点)という文章構成法があります。要点から入り、理由を説明、具体例で納得してもらい、改めて要点に触れることで説得力が増すという方法です。 これは自分自身にも使えるため、メモの構成法にも利用することができます。メモの場合には取るべき行動を記載し、それに繋げるカタチで結論や理由を前情報として追加します。こうすることで適切な行動を取りやすくなるというライフハックです。

メモの目的は時短が基本になります。現在に索引を設定し、すぐに現在の思考状態まで辿り着くことが目的となります。そのため日常の語句では特別感が無く、索引としてうまく働かないことがあります。 上の例では語数が増えるためメモには向きませんが、カタカナ用語に事象の再認識を高める作用があることが分かるかと思います。特別感を出すことで本来の意味とは異なるニュアンスや記憶への残りやすさを期待できます。 またカタカナ用語は単純に書き込み量を減らすための略語としても利用できます。他にも別のフィールドの用語を転用して自分専用語としてメモに利用すれば、自分だけに通じるメモにできます。