小説家には職業経験から到達した執筆上のルールがあります。また演劇などの制限のある状況下での話の進め方にもルールがあり、守ることで効率良く伝えることができます。
執筆ルール| 名前 | 内容 |
|---|
| 氷山理論 | 氷山の威厳は海面上の1/8だけで表現されるべき ヘミングウェイ |
| チェーホフの銃 | 物語に登場するものはすべて必然性が必要 出てきた銃は発砲されなければならない |
| 三単一の法則 | 事件は1日で終結 事件は同じ場所で 行為が一つの筋に集約 |
一人の執筆者ではなく、伝承された昔話などにも話の進め方となる執筆上の法則性が見つかっています。登場物がどんな機能・役割を果たしているかに注目し、分類・整理したもの「昔話の形態学」があります。
プロップの昔話の31機能| 項目 | 内容 |
|---|
| 1.不在 | 一人になる |
| 2.禁止 | してはならない規則が提示される |
| 3.違反 | 禁を犯す |
| 4.捜索 | 敵が調査開始 |
| 5.入手 | 敵が情報を得る |
| 6.策略 | 敵が騙そうとする |
| 7.幇助 | 敵に騙されて協力 |
| 8.加害 | 敵により何かを消失する |
| 9.任務 | 依頼を受け取る |
| 10.受諾 | 依頼に合意する |
| 11.出発 | 旅立つ |
| 12.試練 | 試される |
| 13.反応 | リアクションを起こす |
| 14.獲得 | 何かを手にいれる |
| 15.移動 | 助けを得て敵の近くに |
| 16.闘争 | 敵と直接対決する |
| 17.目印 | 攻撃を受け印が付く |
| 18.勝利 | 敵に打ち勝つ |
| 19.回復 | 傷や災が修復される |
| 20.帰還 | もとの場所に戻る |
| 21.追跡 | 新たな敵が出現 |
| 22.脱出 | 追跡から逃れる |
| 23.隠遁 | 身を隠して安全地帯に |
| 24.偽物 | 主人公を名乗る人物の出現 |
| 25.難題 | 本物かを試される |
| 26.解決 | 難題を解決する |
| 27.認知 | 決め手の目印17の伏線回収 |
| 28.露見 | 偽物が暴かれる |
| 29.変身 | 主人公の印象が変わる |
| 30.処罰 | 偽物が罰せられる |
| 31.結婚 | 即位する |
昔話は無限に存在しますが機能の観点からは、わずかな31項目で分類できるとしています。これを利用する際は31項目すべてを使うのではなく、使える項目だけを物語に登場させます。
人間の話の受け取り方や好まれる話の進め方が存在しているため、昔話として残って来たものの中に法則があると考えられます。ルールを守ることでより受け入れられやすい物語を書くことができるかも知れません。