小説を書くためのプロットの作り方

小説には話の筋となるプロットが存在します。思いつくままに話を構築していく方法もありますが、出来上がった話にも要約となるあらすじが生まれることになります。物語の骨格となるプロットから作り始めることで、バランスの良い矛盾の無いストーリーを構築できます。 プロットの目的は物語展開を管理できるようにして、執筆をスムーズにすることにあります。小説を書く前に書き上げる世界の要素を収集して、つなげたり組み合わせて自然な流れで話が進むようにします。 例えば筆の進むままに自由に書いた場合、最終的なテーマとなるメッセージに反する言動を登場人物がしていたり、世界観に合わないイベントを作ってしまったりなどの矛盾が生まれる可能性があります。 プロットから書き始めておけば、必要な舞台装置や小道具、効果的な言葉遣いや雰囲気作り、印象的な性格表現や伏線の配置まで、書く前に精査し吟味することができるため、作品の完成度が大きく上がることになります。

小説の中では登場人物たちも成長をしていきます。特に主人公は話の中心に居るため、精神的成長が分かりやすく描かれることになります。また環境や他の登場人物からの評価も変動することで、社会的立場が変わっていく様子も描かれることになります。 成長物語では初めに打ちのめされたり、敗北を経験することになります。何が足りないのかを見つけるか、極限まで追い詰められて生存本能や強烈な動機に突き動かされて、成長の道へと進み始めます。 どこかで読んだ物語になるのを避けるために変化を付ける場合は、設定や重点の置き方までに留めるべきで、成長の方向性(未熟から成熟)や法則性(解決力が増える)についてまで加工してしまうと、読み手が欲求不満に陥り、フラストレーションが溜まりやすくなります。

小説には起承転結や三幕構成など様々な話の展開方法がありますが、ストーリーが進行すると何らかの状態変化が起こっていきます。筋書きでは大きな変化を決めてから、さらに細かく変化する項目を増やすことで、重層的に話を進行させたり、伏線を配置したりできます。 まず初めに物語に登場する物品の他、内面の変動要素をピックアップして、初期状態と結末段階での状態を決めていきます。するとその変化を起こすイベントが必要になるので、その事件の概要を考えて追加していきます。 また事件の内容により他の登場品や変動要素が増えるので、改めて初期状態や登場時期を設定したり、結末の状態を更新します。この作業を繰り返し納得のいく要素をすべて網羅して、後は時系列または印象付けをしたい順番に物語を並べることで、矛盾の無いストーリーが完成します。